Dwaram Venkataswamy Naidu

(1893-1964)


 1893年11月3日、バンガロールで非常に信心深く、音楽愛好家である軍人の家系に生まれる。将校であった彼の父親と祖父は、軍楽隊に勤めており、ヴァイオリンと声楽の名手であった。彼の演奏は、バラモン音楽に囚われない自由さを持ち得ていたが、それはこの家庭環境に起因していると言える。

 彼の家族は、≪Visakhapatnam≫へと住まいを移し、彼の地で彼は年少の頃から、ヴァイオリンを習う。

 彼の演奏の最大の特徴は、非常に正統的で素直な表現をしつつ、静かに落ち着いたところにある。そして、彼は、複雑なラーガも彼のしなやかで、柔らかいボウイングでもって優雅な演奏をすることが出来た。彼は、非常に音楽の伝統を重視していたものの、新しいことに積極的に関わる人物でもあった。

 彼の演奏会で観客は、静かにうっとりとしながら聞き入っていたと言う。残された録音においても、その様子は伺える。表面的には、凄い事をしているわけではないものの、聞いているうちに、何時の間にか、穏やかな気持ちになれる演奏である。優雅さと気品を兼ね備えた、落ち着いた演奏である。

 彼は、演奏者としても、非常に尊敬を集め、数々の表彰をされているが、それと同時に、優れた教育者としても有名であった。1964年11月25日、逝去。