T.N.Krishnan

T.N.Krishnan。1928.10.16日、ケララ州の Parur で音楽家の家系に生まれる。6歳のときから、父親の≪A.Narayana Iyer≫から、ヴァイオリンを習うが、 幼少の頃から、天才振りを発揮し、父親のグルのアカンパニストとして8歳にしてデビューする。また、父親自体が、著名なヴァイオリニストであったことから、 小さい頃から、現在、伝説と化している数多くの演奏家との交流を持っている。また、当時としては、珍しかった、ヴァイオリン・ソロデビューも、13歳のときに果たしている。

父親の下でヴァイオリンを習い、その後、≪K.K.Parthasarathy Iyengar≫の下でも研鑚を積む。コーチンから12歳の時に、トリヴァンドラムに住居を移し、 そこで、≪Semmangudi Srinivasa Iyer≫の下で声楽を習う。その頃から、もう既に著名な≪VIDWAN≫達のアカンパニストとして、競演を果たし、その時に、 彼の才能を認めたフルート奏者≪T.R.Mahalingam≫からチェンナイでのコンサートへの招聘を受け、≪Semmangudi Srinivasa Iyer≫と≪T.R.Maharingam≫との競演で、 チェンナイ・デビューを果たす。そこでの成功を受けて、チェンナイに移り住む。

それ以降の彼の活躍は、圧倒的なもので、その当時の著名な演奏家から、引っ張りだことなる。彼が、アカンパニストとして活躍した時代は、 現在カルナーティック音楽の黄金期と言われている 1940-1970 年代を全て含んでいる。その当時、彼が競演している演奏家を一部挙げると、次のようになる。 ≪Ariyakudi Ramanuja Iyengar≫≪Maharajapram Vishwanatha Iyer≫≪Chembai Vaidyanatha Bhagavatar≫≪Musri Subramania Iyer≫≪Alathur Brothers≫ ≪G.N.Balasubramaniam≫≪Semangudi Srinivasa Iyer≫≪T.R.Maharingam≫≪Madura Mani Iyer≫≪M.D.Ramanathan≫。 そのため、ここに挙げた演奏家達が、逝去したりして、演奏家が代替わりとなると、メインの演奏家にとって、≪T.N.Krishnan≫をアカンパニストとして迎えること自体が、 名誉であることとなっている。しかしながら、現在の演奏家で、彼と同じ土俵で歌うことのできる声楽など全くいない状況であり、現在の彼は、ソロ活動に専念する結果となっている。
彼の演奏は、その往年の巨人と呼ばれる人々との豊富な競演、それを通して培われてきた蓄積が、基になっていると言える。また、彼の演奏スタイルは、 声楽を基にしたカルナーティック・ヴァイオリン音楽の中で、オーセンティックである≪Papa Venkanataramiah≫の芸術性を引き継ぐ唯一の演奏家でもある。 そのため、彼の演奏は、声楽家の声がそのまま聞こえると称され、その秘密は、豊かな≪ガマカ≫と、その使い方のバランスにあるとされる。 また、テクニック的にも全く破綻がなく、煌びやかで深い音色と、即興の展開の見事さによって、彼の演奏の魅力は、他の追随を許さないものがある。

しかしながら、現在の演奏家は、声楽のベースを離れ、純粋器楽としての傾向が強めてきている。そのため、彼の声楽をベースにしたスタイルを受け継ぐ演奏家は、 ほとんどいない状況となってきており、そのオーセンティックなスタイルの存続に対して、危惧の念も上がっている。
その名声から、各国の音楽祭などに招待されることも多く、今まで訪れた国々を一部挙げると、 アメリカ、イギリス、オーストラリア、ロシア、シンガポール、オーストリア、マレーシア、ドイツ、ユーゴスラヴィア、チェコ、スリランカと数多い。

彼は、その65年にも及ぶ演奏活動の中で、夥しい数の賞を受けているが、その代表的なものの一部は、次である。

・Vayuleena Ratna(1950) ― Tenali Sangeetha Sabha
・Sangeet Natak Academy Award(1974) ― Sangeet Natak Academy, Delhi
・Asthana Vidwan(1977) ― Tirumal Tirupati Devasthanams
・Honours(1980) ― Sankaracharya of Kanchi Mutt
・Sangeetha Kalanihi(1980) ― The Music Academy (Chennai)
・Chowdiah Memorial National award(1992) ― The Academy of Music, Bangalore
・Sangita Kala Nipuna(1992) ― The Mylapore Fine Arts Club
・Padma Sri and Padma Bhushan(1992) ― The President of India
・Sangeeta Kala Sikhamani(1993) ― Indian Fine Arts Club, Madras
・Sangita Kala Sagara(1994) ― CMANA, USA.

歴任してきたポストで代表的なものは、次である。

・Professor of Violin of the Tamil Nadu Government Music College(1964-1978)
・The Principal of Tamil Nadu Government Music College(1978-85)
・Professor and Head of Carnatic Music section of Delhi University(1986-1992)
・The Member of the Experts Committee of The Music Academy Madras(1992-)
・Executive Board Member of The Sangeet Natak Academy
・Chairman of Executive Board Member of The Sangeet Natak Academy(1992-)
・Visiting Professor of University of Berkeley
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