凝りに凝ったストーリー。登場する人々の、思いやりの深さ、それによるすれ違いなどが心を打つ。アジットの繊細な演技が、素晴らしい。南インド映画。DVD。
Annandha Poonkatrae
| Karthic, Ajitkumar, Manivannan, Vijayakumar, Vadivelu | Raajkapoor | Deva |
| Meena, Malavika | 1999 |
【ストーリー】
| 未亡人のミーナーは、アジットクマールの家と隣同士で住んでいて、近所の子供たちに、古典音楽・舞踊を教えている。アジットは、ミーナーに対して恋心を持っているものの、なぜか、彼女にはその気持ちを伝えられないでいた。 アジットは、こずかい稼ぎに写真を撮ったりしていたが、その中で、マラヴィカと出会う。ミーナーに一途のアジットは、マラヴィカには興味を持たないものの、マラヴィカの方は、彼に熱を上げてしまう。 そんな中、近所でも人望の熱い、マニヴァンナン夫婦の誕生日を皆が祝うこととなる。そのとき、マラヴィカは、アジットにアタックするものの上手くいかない。そのことをミーナーに伝えると、ミーナーは、アジットに対して、マラヴィカと一緒になることを勧め、なぜ一緒になれないのかをマラヴィカと、二人して問いただす。それに対し、アジットは、思わずミーナーに対しての本当の気持ちを言ってしまう。しかし逆に、ミーナーはそのことにショックを受けてしまう。皆が、騒然としている中に、一人の男性が現われる。その男性、ヴィジャヤクマールは、ミーナーの父親であった。 その彼の口から、ミーナーの過去に起こった出来事が語られる。 ヴィジャヤクマールは、村の信頼厚い、地主であった。彼らの間には、母親はいなくなっていたものの、二人は、幸せに暮らしていた。ミーナーは、ある時、村の子供が歌を歌っているの聞き、その先生であるカールティックのことを知る。ミーナーは、彼のところで、音楽を学び始めることとなる。そして、彼と親しくなる中で、彼の奥さんは、お産のときに、子供を一人残して死んでしまったことを知る。そのことから、ミーナーは、彼の残された子供の世話もしながら、互いの信頼を深めていった。 ある時、村でトラブルが起こる。そのトラブルをヴィジャヤクマールは、裁く。しかし、そのことで、逆恨みを受ける。その裁きで、カーストを落とされ、ヴィジャヤクマールの下で従者となった彼の恨みが、暗い影を落としてゆく。 彼は、信頼しあっているミーナーとカールティックとの間を引き裂く陰謀を企む。彼らの間柄は、純粋に先生と生徒の間柄であったのにも関わらず、恋仲で密会を重ねているとデマを流す。その噂に怒ったヴィジャヤクマールは、カールティックを村から追い出そうとし、その事実を知ったカールティックも、亡き妻との思い出の詰まった土地を傷心のまま離れることを決意する。 しかし、恨みに燃える彼の陰謀は、それだけに止まらなかった。彼は、ミーナーにカールティックが村を離れることを教える。もちろん、ミーナーは驚き、カールティックのところに向かう。ミーナーがカールティックの所へ行くのを見て、彼は、ヴィジャヤクマールに、ミーナーとカールティックが駆け落ちしようとしているとしていると讒言する。駅で二人を見つけ、激昂したヴィジャヤクマールは、カールティックは殺されてしまう。ミーナーは、それに対し、カールティックの子供を自分の力で育てると言って、親子の縁を切る。実は、丁度、その場面に居合わせていたのが、アジットの家族であり、彼らが、ミーナーのそれから後の世話をしていたのであった。 ミーナーの過去を知った近所の人達は、ミーナーとアジットが一緒になれるように願う。しかし、逆に頑なにミーナーの心は、どんどん閉ざされてしまう。その時、ミーナーが育てているカールティックの子供が誘拐されてしまう。平常心ではなくなっているミーナーは、アジットが誘拐したのだと思い込み、彼を警察に突き出す。しかし、この誘拐には、裏があった。 マラヴィカの父親は、彼女が、アジットを愛しているのを知る。そして、アジットと、ミーナーとの関係のことも知る。娘のことを思う彼が、ミーナーの育てている子供を誘拐したのであった。彼は、警察で捕らえられているアジットを家に呼び、取引を持ちかける。アジットがマラヴィカと結婚することを約束するならば、子供をミーナーの下に返すと。その取引を、アジットは、受け入れる。 やがて、アジットとマラヴィカとの結婚式が行われる。その会場に、マラヴィカの元々のフィアンセが、入ってくる。一触即発となったその時、マラヴィカとそのフィアンセは、その誘拐の背景と全ての皆の前で事実を話す。マラヴィカは、アジットを諦め、フィアンセと結婚することを決めていたのであった。そして、彼女たちは、逆にアジット自身が、幸せになれるように励ます。しかし、もうアジットは、ミーナーを忘れるために、町を離れる決心をしていた。 誘拐の背景を知った、マニヴァンナンは、ミーナーにその全ての事実を伝える。ミーナーは、もう家を出て行ったアジットの部屋に入る。そこには、アジットの彼女に対する思いが書かれた手紙や、思い出の品物が、溢れていた。しかし、そのとき既に、アジットは、もう汽車に乗り込み、近所の人達の見送りで町を離れようとしていた。 |
【コメント】
| 非常に凝りに凝ったストーリーである。正直な話、映像の切り口とか、音楽やダンスシーが飛び抜けているといった部分の魅力は、それほどでもない。しかし、ストーリーの展開力は、素晴らしいの一言。これだけ複雑なストーリーでありながら、見ていて、破綻を全く感じさせない。登場する人々の、他人への思いやりと思いの深さ、それによるすれ違いなどが心を打つ。その中でも、ミーナーに対する、アジットの繊細な演技は、素晴らしい。 |
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