Baasha
| Rajini, Raghuvaran, Janakaraj, Vijayakanth | Suresh Krishna | Deva |
| Nagma | 1994 | |




【ストーリー】
| リクシャー運転主のラジニは、仲間が困った時には、何かと手を尽くす親切な人物で、皆から愛され、信頼されていた。彼は、弟1人、妹2人、そして母親と5人で暮らしていた。父親は、もう既になく、一家をラジニ1人で支えていた。彼らは、貧しいながらも、明るく過ごしていた。 ラジニはある日、お客としてナグマを乗せる。ナグマは、お喋りの上手くで誠実なラジニと、車内で楽しく話をする。そして、ラジニに対し好感を持ちつつ、別れるのであった。 ラジニの父親のヴィジャヤクマールは、ラジニに遺言を残していた。それは、弟を立派な警官にすること、姉を裕福な家庭に嫁がせ、妹を医者にすることであった。その遺訓の中で、まず弟が警官の試験に合格する。しかし、弟が試験を受けた際、長官が兄のラジニに対して、反応を示す。長官は、ラジニを呼び面会し、話を聞く。そして、ラジニを返した後、四年前にボンベイで死亡した密売人の「バーシャ」の再調査を部下に命ずる。 ナグマの父親は、密売人だった。彼は商談をしていた時、警察に踏み込まれる。とっさに彼は、ナグマに密輸したダイヤモンドを渡し、先に帰るように言う。ナグマは、リクシャーに乗って帰ろうとすると、また偶然、ラジニのリクシャーに乗り合わせる。そして、再び楽しく話をして家へと到着する。しかし、ナグマは、ラジニの車の中に、ダイヤの袋を忘れる。それに気がついたラジニは、直ぐに、ナグマにその袋を返す。 しかし、その中のダイヤがひとつなくなっていた。父親は、それをラジニのせいにする。ナグマはラジニをかばうものの、ラジニの車は襲われ、壊されてしまう。ラジニは、自分の車が壊されている間も、何か達観したかのように、何一つ反抗しない。結局、ダイヤがなくなっていたのは、父親の勘違いであった。そのことに、ナグマは、心から、申し訳なく思うのと同時に、ラジニのことを愛するようになるのであった。 ラジニの妹は、医大に入学しようとしていた。しかし奨学金を得ようとするものの、担当者は自分との愛人契約をするなら許可するという。彼女は、それに対し、入学を諦めようとするものの、話を聞いたラジニは、談判に行く。担当者は、ラジニのある秘密を聞かされ、態度を豹変し、入学を許可する。 ラジニは、リクシャーを走らせていた時、姉が恋人と語らっているのを見つける。二人が愛し合っていることを知ったラジニは、相手の家へ結婚を申し込みに行く。しかし、相手は、裕福な家で、結婚を認めようとしない。ラジニ達は、二人の幸せを願い説得するが、結局あきらめようとする。姉もまた、家族の絆のほうを取り、諦めようとする。それを見ていた相手の父親も、心を動かされ、2人は無事に結婚するのであった。 ナグマは、父親が密輸に関っていること、手下たちが粗暴なやつらであることらしいと気付く。その悩みを、ナグマは、ラジニに打ち明ける。そして。ラジニに対して、愛を告白する。しかし、ラジニは、それを断るのであった。ナグマがラジニを愛していることを知った父親は、ラジニを襲う。それに対しても、ラジニは、何一つ抵抗することないのであった。 警官となった弟は、兄を痛めつけた手下のドンを逮捕する。しかし彼は、直ぐに釈放され、逆に妹を拉致し暴力を加える。それに対し、とうとうラジニの怒りが爆発する。ラジニの怒りは、半端なものではなかった。そのため、手下たちは、病院送りになってしまう。弟は、その兄の姿に尋常ならざるものを感じ、兄がボンベイにいたとき何をしていたのかを問い詰める。 実は昔ラジニは、ボンベイで、密輸組織のドンであった。彼が、密輸に手を染めたのには理由があった。ラジニが密輸を始める前、ボンベイでは、ラグヴァランの組織が暗躍していた。ラグヴァランの横暴は、目を覆わんばかりであった。ラジニの父親のヴィジャヤクマールは、そのラグヴァランの右腕であり、ナグマの父親もその一味であった。正義感に燃えるラジニは、親友と共に、ラグヴァランと対峙していこうとする。しかし親友は、彼らによって殺されてしまう。 そのことをきっかけにして、ラジニは、ラグヴァランを潰すため、密輸に手を染め、戦ってきたのであった。しかしラジニは、密輸で得た報酬を、一般に還元し、厚い信頼を得ていた。そしてとうとう、ラジニは、ラグヴァランを追い詰める。しかし、ラグヴァランの下には、ヴィジャヤクマールがいた。そのことを幸いに、起死回生を図ろうとする。ラグヴァランは、ラジニを殺そうとするものの、ヴィジャヤクマールがラジニを守る。ヴィジャヤクマールは、ラジニに最後の言葉を残して死に、ラグヴァランは、逮捕されてしまう。そうして自分の目的を終えたラジニは、父親の遺言を守るため、事故で死んだように見せかけ、1人のリクシャーとして再出発していたのであった。 そのことから、ラジニは、ナグマの父親のことを良く知っており、ナグマと近づこうとしていなかった。しかし、ナグマは、無理やり結婚されそうになりながらも、必死にラジニに求愛する。そしてとうとう、ラジニも心を動かされナグマの下へ行く。ラジニの姿を見た父親は、態度を一変し、二人の結婚を認めるのであった。しかし……。 |
【コメント】
| 全篇、ストーリーが起伏に富み飽きさせるところがない。しかし、よく見ると実は、地道な作業の結果である。ラジニの長所を何一つ揺るがすことなく、緻密にその魅力を増幅させている。実際は、かなりノリで作られているようであるが、ラジニの魅力を最大限生かすために、緻密かつ精緻な積み重ねを、飽くことなく積み重ねている。ひとつひとつの場面の、真の落し所を正確にキャッチし、寸分たがわずまとめきっている。その正確さは、熟練の境地に達した地道な職人の仕事を見ているかのようである。その地道な積み重ねがが、結果として大きなうねりを導き出している。特に、ラグヴァランの復活のシーンまでは、想像以上に綿密に練り上げられ、地道な作業の傑作。しかし、最後の場面は、それまでの出来栄えに、上乗せしきれなかった面があるのが残念。音楽も良い。 |
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