Sankarabharanam

J.V.Somayajulu, Tulasi Ram, Chandra Mohan K.Vishwanath K.V.Mahadevan
Manju Bhargavi 1979

   

   

   


【ストーリー】

 母親のバールガヴィと一人息子のトゥーラシは、船である場所に向かっていた。その場所は、バールガヴィにとって、大切な記憶の残された場所であり、最も大切な人がいる場所であった。彼女は、その場所にトゥーラシを連れて行こうと思っていたのであった。

 バールガヴィは、実は、娼婦であった。バールガヴィには、憧れの人物がいた。それは、著名なカルナーティック音楽の声楽家のソマヤジュールである。しかし、彼女の身としては決して近付くことのできない相手であったものの、ある日川辺で彼女がソマヤジュールの歌に合わせて踊っているのを見て、ソマヤジュールは、彼女が音楽と舞踊を心から愛しているのを知り、好感を持つのであった。

 バールガヴィは、その仕事としてザミンダールの家に雇われることとなる。しかし、直接ソマヤジュールと会うことのできたバールガヴィは、娼婦の仕事をすることが辛くなっていた。そして彼女は、家から抜け出し、汽車に乗り込む。するとその汽車には、演奏旅行に出るソマヤジュールが乗っていた。ソマヤジュールは、事情を聞き、不憫に思い、取りあえずかくまう事にする。

 しかしバールガヴィは、ザミンダールに見つかり連れ戻される。そしてその連れ戻された家でバールガヴィは、ソマヤジュールを侮辱したザミンダールに怪我を負わせてしまう。その結果、彼女は裁判にかけられるものの、ソマヤジュールらの尽力で、無罪となる。そして、ソマヤジュールは、バールガヴィは、自分の家に彼女を匿う事にする。

 しかし、娼婦を匿うというブラーミンとして許しがたいそのソマヤジュールの行為に、彼の仲間達全員が反発する。そして、彼は、ブラーミンの社会から、村八分になってしまう。そのことに心痛めた、バールガヴィは、一人静かに、家を後にするのであった。

 家を出たバールガヴィは、妊娠していた。彼女は、堕胎しようと思うものの、ソマヤジュールが産むように言っている様に感じ、出産を決意する。そして生まれたのが、トゥーラシであった。今や、財を成したバールガヴィは、自分達の身分を明かさずに、トゥーラシを、ソマヤジュールの下で、音楽を学ばせようと思い、再び、戻ってきたのであった。

 トゥーラシは、一度は失態をしでかしてソマヤジュールに追い返される。しかし音楽を学びたいという心が、本当であることを伝え、ソマヤジュールの下で音楽を学ぶようになる。そしてあっという間に、音楽を吸収して行くのであった。

 ソマヤジュールには、一人娘がいた。ソマヤジュールの数少ない理解者であるチャンドラ・モーハンは、彼の窮状のことなども思い、縁談を持ちかける。ソマヤジュールも、その縁談を受けようと思う。そして、両家が顔を合わせ、娘が歌うこととなる。しかしそのとき、娘は、思い余って、ラーガを踏み外してしまう。それにソマヤジュールは、激怒する。それに対し、縁談の相手が、助け舟を出したことに再び激怒し、破談になってしまう。

 しかし、娘達は互いに思い合っていた。そしてソマヤジュールは、相手も充分に音楽の心得があることも知り、結婚を認めることにする。しかし、結婚には、資金が必要であった。そこで彼は、自分にとって大切な、足首に付けたシャンカラ・バラナーム(シヴァ神に巻きつく蛇)を売ろうとする。しかしその様子をバールガヴィは、陰から見ていた。結局、ソマヤジュールは、それを売らなかったものの、彼女は、ある決心をする。

 それは、私財を投げ打ち、音楽堂を作り、その講堂にソマヤジュールの名前を冠させるというものであった。彼女の姿に気付いたチャンドラ・モーハンもそのことに賛同し、その講堂のオープニング・コンサートに、ソマヤジュールは、久し振りの復活コンサートを開くことになるのであった。


【コメント】

 K.ヴィシュワナート監督の代出世作。非常に誠実で、衒いのない作品。出演者それぞれが、引き立っていながらも、出過ぎることなく完璧なハーモナイズがある。音楽は、言うまでもなく、非常に素晴らしい。子役の、トゥーラシの演技は、ピュアなものを感じさせ、特に、ソマヤジュールに弟子入りを許される場面などは、非常に美しい。この作品をきっかけに、テルグ語映画では、カルナーティック音楽やバラタナーティヤムを題材にした作品が数多く製作されることとなった。最後の場面などは、シヴァとパールバティとの比喩と考えると良いかも。



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